完全分離型二世帯住宅とは、親世帯と子世帯が同じ建物内で暮らしながらも、玄関やキッチン、バスルームなどの生活空間を完全に分け、それぞれが独立した生活を送れる住宅の形態です。最大の特徴は、プライバシーをしっかり確保しつつ、必要なときにはすぐに助け合える距離感を保てる点にあります。この形式は、親が高齢になり介護の可能性が出てきたときや、子世帯に小さな子どもがいる場合など、相互にサポートしやすい環境として注目されています。また、生活リズムが異なる世帯同士でも干渉を避けられるため、ストレスの少ない同居が可能です。

一方で、すべての設備を二重に設ける必要があるため、建築コストや光熱費が高くなる傾向があります。また、共有スペースが少ない分、親子間のコミュニケーションが減ってしまう可能性もあるため、意識的な交流が求められます。

他の二世帯住宅の形式としては、一部の空間を共有する「一部共用型」や、ほとんどの生活空間を共にする「同居型」があります。共用部分が多いほど建築費を抑えられる反面、プライバシーの確保が難しくなるという側面もあります。完全分離型は、将来的に一部を賃貸として活用するなど、柔軟な資産運用も可能です。コストとプライバシーのバランス、自分たちのライフスタイルや将来の暮らし方を見据えて、最適な住まいの形を選ぶことが大切です。