地震による建物の崩壊など被害を最小限に抑えるためには耐震や免震、制震などの地震対策が必要です。昭和56年の建築基準法改正により、耐震基準が強化され、地震に対する住宅の意識が高まりました。更に阪神淡路大震災、耐震偽装問題、東日本大震災など大きな災害を経て、地震への備えがますます重要視されるようになりました。

地震リスクへの備えのポイントは、人の命を守ることが最も重要であり、住宅においては、家が倒壊して下敷きになることを防ぎ、家の中の命を守ることが必要です。耐震は、壁をがっちり固めることで、建物の横揺れに耐え、柱等の構造物の崩壊を防ぐ対策です。免震は、免震装置によって、地面から家に伝わる揺れをダイレクトに伝わらないようにする対策です。制震は、振動を制御することで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換してしまう対策です。

制震ダンパーを内壁と外壁の間に設置して揺れを引き取り、壁にしなりが生まれることで地震に強い建物になります。ただし、免震と比較すると導入コストが安い反面、改築によって効果が得られない場合があることに注意が必要です。高層ビルの振動対策から始まった制震技術ですが、近年では住宅地震対策の需要の高まりによって技術が発展しています。