縁側には、建物から突き出した軒下に設ける「濡れ縁」と、屋内の窓際に設ける「広縁(くれ縁)」の2種類があります。広縁は庭に面して窓の内側に設けられ、和室の建具の外側に設けられます。広縁は廊下の役割もあり、外に面して建具があるため、冬場でも日当たりのいい日は暖かく過ごせます。

縁側を設けると、庭の風情を楽しめて暮らしに潤いを与えてくれます。濡れ縁も広縁(くれ縁)も外の景色を間近に見られる場所で、庭の風情を眺めながらのんびりと縁側で時を過ごすことで暮らしにうるおいを与えてくれます。また、縁側に腰掛けて近所の人と気軽に会話を楽しむことができます。ときには一緒にお茶を飲んでお菓子を食べるなど、近隣とのよいコミュニケーションスペースです。

欠点としては、濡れ縁は風雨や日差しにさらされる屋外に設けられますから、耐久性は期待できません。木製の濡れ縁は、樹種にもよりますが、雨がかかる部分はとくに腐りやすいので5年、10年など定期的に防腐のために塗装をしなければなりません。ヒバ材のように耐久性の高い樹種は、15年程度は長持ちします。最近では、木粉を混ぜて木材に見えるようにした樹脂素材のものもあります。ウッドデッキにも用いられる素材ですが、こちらは耐久性が高く腐食の心配はいりません。ただどうしても屋外に設けるものだけに日常的に掃除をしておかないと汚くなってしまいます。